森とワタシの関係概論
今年は、国際森林年。
改めて人と森との関係を見直し、自然と寄り添った生活を考える時期にきているともいえる。
気になる世界の森林伐採の現状、間伐材の活用、日本の森の今は?
本当に森にとって良いことって何だろう?
今、改めて考える、“森と私”のあり方。
世界の森、日本の森、そしてワタシ
今年は、1985年以来二度目の「国際森林年」。
26年前、「熱帯林の持続的な管理と利用を進める」という国際的な目標が設定されたにも関わらず、
今も世界の森林問題は深刻化している。
減少率はゆるやかになっているものの違法伐採は絶えず、
熱帯林を中心にこの20年間で日本の国土の約4倍の森林が失われてきた。
要因は、国や地域によって異なる。
木材の輸出のための伐採や大規模農地としての開拓
あるいは森林火災などによる焼失のためなどが挙げられる。
かくいう日本は国内の森林面積こそ減少していないがその質は劣化し、
1970年頃からは木材の輸入量が激増している。
東南アジアや南米などの途上国から安価な木材を輸入し、消費した結果、
私たちは気付かないうちに他国の森林破壊に加担してしまってきていたのだ。
なぜ、森林が国土の約7割を占めるにも関わらず、国内の森では需要がまかなえないのか?
また、世界の森林問題の解決のために私たちには何ができるのか?
国土緑化推進機構の木俣知大さんに聞いた。
「健全な森を維持するには、“植えて、育てて、収穫して、賢く使って、また次の森を植える”
というサイクルが成り立っていることが理想です。
今の日本は、戦後に先人の方々が努力して木を植えたまでは良かったのですが、
適正な価格で収穫されないことによって、せっかく育てられた木が使われなかったり、
あと少し必要となる手入れが行われない状態になっています。
この循環が止まっていることが問題なんです。」
日本では第二次世界大戦前から戦後にかけて燃料や建材確保のために
各地の山で木が伐られ、禿山が増えた。
全国的に木材が不足し、また災害が多発したことから
第二次世界大戦後政策的に植林が進められることとなった経緯がある。
「しかしこの時植林されたスギやヒノキが十分に育つ前に高度経済成長期に突入。
大量の木材が必要となり、海外の安い木材を大量に輸入することとなった結果
あっという間に自給率は50%を割り込みました。
国内の木材が割高になり、違法材を含む安価な輸入材に頼るようになったのです。
国産材の需要が減ることで、林業の経済的なバランスも崩れ
“伐っては植える”ということで保ってきた安定的な管理を行いにくくなりました。
そして活用されないまま放置されるうちに、担い手も高齢化し、木材供給力を失ってきたのです」
近年、国内の森を育てるために間伐(かんばつ)をすすめたり、間伐材を活用しようという話をよく耳にする。
これは森を循環させるために有意義な活動ということになるのだろうか。
「今の日本の森には樹齢40-50年の木が極端に多いんです(右図:エコトワザ作成)。これは、戦後一斉に植えたスギやヒノキの人工林が収穫期にきているということ。
言いかえれば日本の森の木材供給力は高まってきているということを意味します。今一番必要なのはこの木をしっかり収穫する“主伐(しゅばつ)”。
間伐は森を育てるためにもちろん大切なことですが、成長途中の比較的若い林で必要となる作業です。森林所有者が主伐によってそれまで行った手入れの経費を賄えるだけの収入を得られたら、自然と間伐も進むようにもなり、山村にも元気が戻るでしょう」
主伐できる森がありながら海外の木を消費し、結果として国内の森でも海外の森でも次世代への再投資ができていない状況。
特に輸入の相手国においては、依然として貴重な原生林が伐採されたり、木材で得られた収入が次世代の森を育成するための植林に投資されずに循環が途切れていることも少なくない。
50年前に植えられた国産材を賢く活用すること、次世代の森づくりに貢献することに加えて、
海外の木材については持続可能な管理をされた木材を“選択する”ことも重要だ。
個人としては、木製の家具や製品を買う際に、どこの国でどのように伐採された木なのか確かめて買いたい。
次のページでは個人として具体的にできることを考えてみる。








































